「龍臥亭幻想 上下巻」読了ー。 読み終えたのは会社の休憩時間だけど涙が溢れる。 つくづく電車の中とかじゃなくて良かった。 島田先生はどうしてこんなにも、 やるせなく、且つ、切ない話しを書けるのか。 「占星術殺人事件」と「異邦の騎士」が御手洗モノ2トップの片塚にとっては、 これはもう、読むべくして読んだ本です。 文章自体は凄く読み易いんだけど、 ふと気付くとその時の人物の心情とかを考えていたりして、 結構読み終えるまで時間が掛かりました。 でもこれは作品に感情移入している証拠なので、個人的には良い傾向です。
以下ネタばれにつき反転注意。
「里美上京」を読んだ時に、石岡さんが自分の過去に踏ん切りをつける下りがあっ て、 「異邦〜」が好きな身としては凄く心に染みる話しだったんだけど、 今回はそれを更に上回りましたね。石岡さん頑張った。 人間のパーツを繋ぎ合わせると言う展開は、作者が意識したのは解らないけど 「占星術〜」を思い出させてくれてこれも嬉しかった。 最後に犯人の独白がきて終わるのも占星術の時と同じパターンですね。 最初の死体隠しのトリックはやられた、って感じですか。石岡さんに。 御手洗曰く、新米刑事よりもずっと経験を積んでる、んだから、 もうちょっとしっかりして下さいよ〜。 蘇った森孝さんのほうは、トリックは解らんけど日照さんである事に間違いは無いんで さて、どんな方法なのやらとちょっとだけ考えてそのまま先へ。 片塚も粘りが足りません。 二子山が最後に、事件は終わったって石岡さんに言い聞かせているのも、 実は日照さんのトリックに気が付いていて、 それを庇っていたのでは、と深読みしちゃったりもします。 つっこみ所も無くはないですよね。 人目につかない木の上に死体を隠すのは良いとしても、 カラスとかにつつかれたりしないのかなあ、とか。 ”実は双子”はミステリ界じゃかなりの禁じ手ですしね。 でも、そんな事を気にさせないストーリーの素晴らしさです。 今までは御手洗の石岡の呼び方が「石岡君」だったものだから、 片塚もずっと石岡君だったんですよね。 でももう石岡さんに昇格しても良い頃です。 そもそもここまでくるともう、御手洗シリーズではなくて 石岡(&里美)シリーズと言っても良いくらいですしね。 あ、里美と御手洗が電話をしていたと知って、 「女嫌いは治ったのか?」と言う下りが本編とは関係ない所で面白かった。 あれは御手洗に焼きもちを焼いているのか里美に焼きもちをやいているのか。 両方・・・? なんにせよ、や○い系の御手洗&石岡ファンが飛び付きそうな場面、 島田さんは解っててやっているのでは(^^;
片塚は実はこれが初吉敷。 今までも知り合いの島田ファンに「吉敷、良いっスよ!」と、 散々読むように催促されていたんだけど、これで読んでみる気になりました。 印象としては(いわゆる)一般常識のある御手洗・・・、って感じ?
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コメントお返事
>ZZZさん お久しぶりですー。お祝いコメントありがとうございました! |